【2017年】

◆ クレアモント康子博士 再来館

 2016年年11月にご夫妻で豪から来館下さり『記念館10周年集会』にもご参加下さったシドニー大学のクレアモント康子博士(「記念館」会員)が今年7月26日にも再来館下さり、発行されたばかり著書『市民の力と戦後和解』を寄贈下さいました。
 この本は戦後の和解・友好に努力している多くの日本の市民や民間組織・団体を紹介した貴重な本です。左頁に英語、右頁に日本語構成の200頁で写真は上質紙の全てカラーです。第1部第1章の冒頭で中帰連を10頁に渡り紹介下さり、他にも記念館の10周年集会や顧問だったむのたけじさんなども紹介下さっています。
 入手希望の方は著者のクレアモント博士のアドレス(yasuko.claremont@sydney.edu.au)に直接ご連絡戴ければ実費(送料込4500円)で送って頂けます。          クレアモント康子 博士(記念館で)

◆【「共謀罪」に反対する声明】

私たちは共謀罪に反対する - NPO中帰連平和記念館

 

  安倍政権成立以降、特定秘密保護法の制定、集団的自衛権容認とそれを実現するための安保関連法制の改訂と新法制定が立て続けに行われた。権力の活動を市民の目から隠蔽しつつ、自衛隊をアメリカの傭兵として自在に利用させる体制が構築された。

 

 そしていまや政府は、いわゆる共謀罪(「テロ等準備罪」を創設する組織犯罪処罰法改正案)を閣議決定の上、国会に提出し、本年4月14日衆議院法務委員会において審議入りした。

 

 安倍政権は国連越境組織犯罪防止条約批准に伴う関連の国内法制整備の一環として、共謀罪の制定が必要だとしているがそれは全くの偽りである。国連の本条約を批准した各国は、各国は国内法制との関連で体制を整備しており、日本でも現行法制で対応可能である。

 

 当初安倍政権は、対象犯罪数を当初676としていたが、それを277に減らすなどして限定を加えたとしているが、これは共謀罪の本質的危険性を変えるものではない。

 

 そもそも我が国の法体系は、既遂行為を処罰することを原則としており、「未遂」「予備」「共謀」は例外事項とされてきた。例えば「予備」に該当するものは、内乱陰謀罪や私戦陰謀罪などきわめて特異な場合に限られている。それをきわめて広範な範囲に拡大することは、市民の活動を国家・治安機関の監視下に置くに等しく、自由で民主的な社会という憲法が示す我国のあり方と両立し得ないものである。

 

 今回の共謀罪制定は、特定秘密保護法による国家権力の活動の隠蔽と相まって、市民による権力に対する監視を不可能にし、市民がただ権力に従うだけの独裁・警察国家に道を開くものであり、決して受け入れることは出来ない。

 

 本記念館を設立した中国帰還者連絡会に集った人々のなかには、戦前「満州国」や中国占領地域で、中国の人々に植民地版治安維持法などを一方的かつ恣意的に適用し、多くの人々を獄に送り、殺戮に関与した人もいた。我々が彼らの体験を後世に残すため記念館を設立したのは、同じ過ちを二度と繰り返さず、平和を実現するためである。共謀罪制定の試みは、このような記念館の設立理念にも反するものであるゆえ、我々は治安維持法体制を想起させるような今回の共謀罪制定に強く反対するものである。

 

2017年4月23

 NPO法人中帰連平和記念館 理事会 (理事長 松村高夫)

 中帰連に学ぶ会参加者一同

 

この「声明」は安倍首相、衆参両院議長、各政党、メディア等に送付しました。

記念館では5月28日(日)総会の午後に、治安維持法や小林多喜二の第一人者である荻野富士夫先生(小樽商科大学教授)と、中帰連ご遺族の伊東秀子先生(元衆議院議員・弁護士)のお二人に講演をお願いしました。
 荻野先生は当時の「治安維持法」が如何なる使命を果たしたか、そして「現代の治安維持法」と批判されてきる共謀罪との関係などの話を伺いました。また、伊東先生には元憲兵隊長だった父(上坪鉄一氏)が731部隊に当時「マルタ」と称した中国人22人を送っていたことを知った時のショックや、父が帰国した当時の家庭状況なども話されました。伊東先生はその事実を『父の遺言』に記しました。(「記念館」で取扱中)
 尚、記念館では年4回このような「中帰連に学ぶ会」と称した学習会を開いており、参加ご希望の方は事務局(npo-kinenkan@nifty.com)までご連絡下さい。

◆故郷で、むのたけじさん「一周忌」

 記念館の名誉顧問をお引き受け戴いていたむのたけじさんの「一周忌」が、8月19日に故郷の秋田県大仙市の寶蔵寺で行われました。

 記念館から生花をお贈りし芹沢事務局長と細川理事が参列させて戴きました。法要の後休憩を挟んで、むのさんと日本初の女性報道写真家・笹本恒子さんとのドキュメンタリー映画『笑う101歳×2 笹本恒子 むのたけじ』(全国順次上映)が上映されました。改めてむのさんのご冥福をお祈りし感謝申し上げます。

🔹「中帰連」元事務局長・髙橋哲郎さん逝去

長い間「中帰連」の事務事務局長をされ、記念館の理事もお願いしていた都内在住の高椅哲郎さんが10月18日急逝(享年96歳)されました。
 「腹部大動脈破裂」とのことでご家族にも急なことでした。既に葬儀は身内で済ませたとのことで、何のお手伝いも出来ませんでした。
 髙橋さんは長い間、事務局長として会員の信頼度は絶大で中帰連の活動に大きく貢献されました。中帰連会長だった富永正三さんは2002年の「中帰連」解散直前に逝去され、

解散後も髙橋さんは札幌在住だった大河原孝一副会長(2014.10月逝去)と共に、後継団体の「撫順の奇蹟を受け継ぐ会」や「中帰連平和記念館」へのご指導ご支援を戴きました。
 髙橋さんの訃報は直ぐに「撫順戦犯管理所」や北京の「中国友誼促進会」など関係箇所に報告し、友誼促進会から「弔文」も届きました。
 事前に奥様のご了解を戴き、芹沢事務局長と「撫順の奇蹟を受け継ぐ会」の荒川事務局長(記念館・理事)が10月29日にご自宅に弔問させて戴きました。
 私たちは中帰連の皆さんが体験された歴史の事実を教訓として生かすため此からも後世に伝える努力続けます。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

◆「平和のための博物館市民ネット」全国交流会参加

「平和のための博物館市民ネット」の全国交流会が今年は京都の「立命館大学国際平和ミュージアム」で12月9、10に開かれ、記念館からは松村高夫理事長含め理事ら6人が参加しました。当日は45人が参加し15団体から報告があり、記念館も近況報告をしました。
 最初に斎育郎さん(同ミュージアム名誉館長)の司会で、井出明さん(追手門学院大学経営学部教授・社会情報学)の「ダークツーリズムとミュージアム~戦争と平和を考える」と題した講演がありました。そ後、7団体からの「発表・報告」があり、18時からは「懇親会」が開かれ各団体と交流しました。
 翌10日は前日に引き続8団体からの報告があり、記念館も松村理事長と芹沢事務局長が「記念館の経緯と近況」のテーマで報告しました。発表・報告は下記の15団体でした。

【9日・7団体】「いたばしピースミュージアムをつくろう会、東京大空襲・戦災資料センター、原爆の図丸木美術館、山梨平和ミュージアム、安斎科学・平和事務所、立命館大学、女たちの戦争と平和資料館(wam)」
【10日・8団体】「満蒙開拓平和記念館、関谷興仁陶板彫刻美術館・朝露館、ピース愛知、ボランティアガイド・平和友の会、ひめゆり平和祈念資料館、中帰連平和記念館、都立第五福竜丸展示館、豊川海軍工廠跡地保存を進める会」

 報告後、総会が開かれ事務局から会計や近況報告があり、今年(2018年)は9月8、9日に「ひめゆり平和祈念資料館」の担当で沖縄での開催が決まりました。また今までの8人の運営委員体制に加え新たに山根和代さん(元立命館大学教授)、寺沢秀文さん(満蒙開拓平和記念館副館長)と、芹沢昇雄(中帰連平和記念館事務局長)が運営委員に参加することになりました。
 尚、二日目のフィールドワークは希望者だけの「京都鉄道博物館」見学で、その目的は当初、京都も「原爆投下」の候補地の一つで、その目標地点が元機関区の「転車台」でしたが、その転車台が今も京都鉄道博物館内で使われていました。

◆【クレアモント康子博士 外国特派員協会で講演】

 東京有楽町の「外国特派員協会」(プレスクラブ)で月に一回新刊の英語の本の中から、記者クラブ会員が一冊を選んで著者自からその本を紹介する『Book Break』というイベントがあります。。
 ジャーナリストの西里扶甬子さんの推薦で2017年12月18日、『CITIZEN POWER』の著者・クレアモント康子博士(シドニー大学)が講演されました。
 当日は50人余りが参加し記念館からも松村高夫理事長を含め12人が参加しました。
 この本は日本国内の「戦後和解」に努力している組織・団体を英語(左頁)と日本語(右頁)で紹介した本で、オーストラリアで発行されたことは会報でお知らせした通りです。クレアモント先生は昨年11月の「記念館10周年集会」にもご参加下さり、 記念館にも二度来館下さり「記念館」を高く評価下さっています。当日の講演でも「中帰連・記念館」に多くの時間を割いて紹介下さいました。